タッタッターと規則正しい足音で優耶は去って行った。

「あぶなかったね…」

「だな…」

そんな事は置いといてー…

「続きは?」

「あー…気が抜けたから今度な!!」

なんだよぉ…少しでも告白かも…♪と思ったアタシが馬鹿だったみたい。

でも女の子なら期待しちゃうシチュエーションでショ?

「日向のばぁか…期待させんな~…」

好きだから、好きなのにー…

ドンドン切ない気持ちが込み上げて来る。

こういう時のアタシはいたって単純。

好きな芸能人の写真集を見る。

『望原翔』と習字で書かれた本を手に取る。