私達の会話も止まり、音のした方角を見ると、そこには先生にしては若い眼鏡のほっそりした人物がたっていた。


シーンとしている中その人物は中央の教卓へ進んで行く途中で



つまづいた………。


なんと不様だろう。

教室中から笑いがどっとわいた。

威厳0。
頼りなさそう。

まぁ、たぶん緊張のあまりだとはおもうけど

これからあの担任で大丈夫なのかと不安が募った。

「え〜、私がこの1のBを担当することになった高津弘です。みなさんと同じ新米でわからないことも多いのですがこれから1年間よろしくおねがいします。え〜、私は昨年まで…」

担任の先生が自己紹介している途中に奈緒が小声ではなしかけてきた。


「なんか思ってたより若いけど頼りなさそうじゃない?中学ってもっと怖そうなの想像してた。」

「うん。なんかヒョロヒョロだしね。」
微かに首を後ろに向けて、返事をすると先生の話す声がおおきくなる。

仕方なく前を向いて、先生の話しを聞く。

「…ということで今回初めて担任を持たせてもらいます。何か困っているなどの悩みがあればいつでも先生に相談して下さい。」

思春期の私達の年代を相手にするのは大変だろうな〜。

「プリントを配布します。後ろに回していって下さい。」

先生からプリントを受け取り、奈緒に回す。

《今後の日程》
9時 教室に着席
10時 入学式
11時30分 HR
12時30分 下校

……後はごちゃごちゃ注意点についてかいてある。

入学式とかめんどくさい。

「では、移動するので廊下に出席番号順に並んでください。」

奈緒と一緒に喋りながら、体育館に行き、入場。オシャレした親が手をふってくるのを恥ずかしく思いながら、見えてないというように前を向いて通りすぎた。


入学式もやっと終わり、奈緒達と教室に戻ろうとした所を担任に止められる。