「えーっと、亮君でいい?」
とほんの少しだけ私より背が高い亮君。男子にしてみればかなり小さい。
たぶんそこが女子に可愛いと思わせる要素なんだろうな。

「亮でいいよ。君って好きじゃないんだ。」
苦笑いでもやはり可愛い。君付けするとさらに可愛いイメージがするからなのかな?

「じゃぁ、私も陽子ってよんで。私すっごいお化け屋敷とか苦手なの。うるさかったらごめんね。」
地元のお祭りで毎年みんなでいったけどいつも悲鳴を上げてた気がする。みんなによくうるさい、怖がりとかいわれたな。

「俺、こういうの案外平気なんだ。むしろ、怖いのとか大好きなんだよね。みんなに似合わないって言われるけど(笑)」
確かにこの顔で怖いの大好きとか意外。

「あっ!十分たったやん。じゃぁ、うちらいってくるわ。」
と奈緒たちがすごくうれしそうに入り口へと姿を消した。

あの顔はキャァーとか叫びながら抱きつく気だ。
いや、絶対そうであろう。むしろ、お化け屋敷に行きたがった理由自体がそのためだと思う。






「お二人さん。」
と後ろから和紀君の声がする。

「おかえり。どうだった?」

「なかなかの出来だったわ。まぁ、ぜんぜん怖くなかったけどね。」

「うそやん!?俺はめちゃくちゃ怖かったわ。せやのに、井上さんは先にどんどん進んでくから必死やった。」

「えっ!!私大丈夫かな…。」
そんな子といわれると不安だ。

「そろそろ10分やな。行くよ、陽子。」
と亮は入り口に歩き始める。

「待って!ほってかないで。じゃぁ、いってきます。」
と美香ちゃんたちに手を振り亮と一緒に入っていた。