「どこもあかんわ〜。厳し過ぎる。」


「この学校部活は力をいれているみたいよ。大きい大会にも毎回出場してるみたい。」


「毎日5時から8時までって厳しいよね。」


「うちは遊びたいから無理や。」


「部活はあきらめるしかないわね。」


「「うん。」」





「あっ、和紀。」


奈緒が指差した廊下には和紀君と女の子がいた。


「中学そうそうモテモテやな。」

ニヤニヤしながら見ている奈緒。

大分声のボリュームを落としている。


「告白現場とか初めてみた。」


「和紀は小学校でもモテてたからな。」



みんな静かに盗み聞き。



『話ってなんや?』

『………好きです。付き合ってください。』

『…ごめん。俺好きな奴おるから…。ごめん。』


女の子は走って遠くにいった。


「見たで〜。和紀。相変わらずのモテモテ振りで。」

「わっ!奈緒。おまえみてたんか。悪趣味なやつらやな。」

「私らのほうが先にいたもんね。和紀君モテモテだね。」

「陽子もいたん!?」

「ばっちしみさせてもらいました。」



「おまえら悪趣味や〜。」


「で、和紀。好きな人って誰なん?」


満面の笑顔でせまっていく奈緒。


「あんなん口からデマカセや。」


焦りながら答える和紀君。


「あんたが嘘つかれへんことくらい昔から知ってるわ。誰かいってみ。」



「………秘密や。」



といって猛ダッシュ




「逃げられたし〜。」



「あんまり問い詰めては悪いわ。どうせそのうちわかるわよ。」


「明日から和紀観察やな。あいつはすぐ顔にでるからな。」


「和紀君かわいそう。」



「っていうかいつの間にか和紀君って呼ぶようなったん!?」



「ん?この前メールでだよ。」



「「……………。」」



「なんとなくよめてきたわ。」



「「へ?何が?」」



「秘密よ。」



美香ちゃんの意地悪。



思っても声に出せない二人でした。