「ただいま。」


というか、このテスト。

親にみせて印鑑もらわないといけないんだよね……。

「おかえり。」
と台所の奥から声が聞こえた。


リビングのソファーにとびこみ、鞄を放りなげる。


お父さんにみせよっかなぁ……

でも、何時に帰ってくるかわかんないしな。


印鑑勝手におそっかなぁ……


それは気がひけるしな…


「お母さん。これに印鑑押してほしい。」
と紙を持ち上げる。


自分で押してっていってほしい

「何のプリント?」
と虚しくも母は私からプリントをとりあげた。


「…………何この点数は?10点って、いままで何してきたの?」

お母さんが鬼になった。


「いや、あの…その。」


何も言えない。


「これで中学の勉強についていけると思ってるの?今回は目をつぶるけど次こんな点数とったら塾いかせるからね。」


塾はいやだ!?

部活やりたいから。

しっかり勉強するか…
じゃないとみんなにおいてかれそうだし。


「わかったからハンコおしてよ。」

お母さんはまだ何かいってたけどスルーして2階にあがった。


携帯が鳴る。


誰からかな。


開いてみてみると

今日メアドを交換した和紀君からのメールだった。


《垣内さん、登録よろしく。》


〈登録したよ。垣内さんじゃなくて陽子でいいよ。〉


《俺も和紀でいいで。今日自己紹介噛んでたやん(笑)》


〈忘れようと思ってたのに言わないでよ(笑)すっごく緊張してたから。〉

《おもしろかったで。じゃあ、また明日な。》

〈ひどっ(笑)また明日。〉


「陽子〜。ごはん〜。」
お母さんが下からよんでいる。

急いで携帯をおいて
台所へむかった。