「ごめん……」


すぐに気がついて謝ったけど、宗介くんの表情は曇っていた。


「ごめんなさい……」


謝ることしかできない私をずっと悲しそうに見ていたけど、


「代わりでいいよ……」


表情を変えずに宗介くんが言った。


「……え?」

「代わりでいい……」

「………」


そう呟く宗介くんに、何を言い出したのかと言葉が出なかった。


宗介くんはしばらく黙っていたけれど、


「葉月ちゃん、気づいてないと思うけど、時々オレのこと“和志”って呼んでた」


そう言って悲しげに微笑んだ。