……−ゴツッ−−…

「いったぁ〜…ちょっと槙斗いま叩いた?グーで叩いたでしょ!?!?」


私は頭を摩りながら、槙斗の服をグイッと掴んだ。


「水菜が寝そうだったから起こしてやったんだろ?」


「それなら普通に起こせばいいじゃない!なんでグーなわけ?」


「ゴメン…」


「謝るぐらいなら、最初からしなきゃいいのに」


「ほんとゴメンってば…」


槙斗は自分の顔の前で両手を合わせながら、チラチラと私の顔色を伺っている。


「うわっ…芹こんな時間。もぅ行かないと間に合わないぞ」


私の向かい側に座っていた葵くんが携帯の時間を見るなり慌てだした。