ふらふら する



医師の話を聞いた部屋を出て




結の病室に戻る




廊下ですれ違う



入院患者が点滴を引くガラガラって車の音



見舞い客の話し声




全てが すぐ そこに あるのに



薄いガラス一枚 隔てたような



違う世界の音に聞こえた




足は床にちゃんと着いてるだろうか?



まっすぐ歩けてるだろうか?



全然、感覚がおかしいんだ




そう 夢の中みたいだ



悪い夢の中



ここが現実なんて



誰が信じられる?




結が赤ん坊の身体になって
死んで行くなんて




嘘だ