結
ゆっくりベッドに近づいて
「……結」
そう声をかける
「……柊…ちゃん……」
ベッドの横にしゃがみ
結の手をにぎる
小さな手は とても冷たく
「結、身体は大丈夫か?
痛むところは………」
「ご…ごめんなさい……
柊ちゃん…ごめんなさい…
柊ちゃんの…赤ちゃん……」
涙をたくさん流して
オレに謝る結
「謝ることはないよ結
つらいのは結なんだから…」
「柊ちゃん………」
結は手を伸ばして
オレは結を抱きしめた
ギュッときつく
オレに抱き着いたから
少し安心した
子どもが流れたのは
もちろん哀しかったけど
結の身体が無事なら
オレはそれで良かった
身体を震わせ声を殺して
結はオレの腕の中で泣いた
「結、泣かないで
身体に悪いよ」
ふ……ぐすっ……
結のすすり泣く音が聞こえ
オレは無力だな
哀しむ結に何を言ってあげれば いいのか
わからなかった