……はぁ…はぁ…… 病室の前 ドアの横には 〔藤代 結〕 間違いなく 結の名前……… 「………はぁ……」 ドアに手をかけ 呼吸を整える スニーカーの爪先を一度にらんでから ガラッ……… ドアを開ける 金色の夕陽が差し込む個室 薄いピンク色のカーテンの向こう ベッドの中で 結は声を押し殺して泣いていた