だけど結は
ギュ~~~~~って
オレの腰に きつく しがみつき
背中に顔を埋めて
……………結?
「人見知り?」
芳賀先生の言葉に
「ええ、少し」
と曖昧にうなずいて
「藤代先生………」
「はい?」
「……奥さまはお元気?」
そうだよな
教え子だった結の事
気になるのは当然だ
もしかしたら芳賀先生
結に手を出した不埒な教師って
オレを思ってるかも………
「結は元気ですよ、とても」
芳賀先生は寂しそうに笑って
「たまに学校に遊びにいらっしゃいと伝えてください」
「ええ」
オレは うなずいて別れた
芳賀先生が去ったあと
「ふぅ……」って
ため息ついて
結はオレの背中から離れた
「そんなに隠れなくても」
結を見ると
明らかに怒った表情をして
スタスタ歩き出した
「結?」
慌てて結の後を追うと
「芳賀先生は
藤代先生が好きなんだよ」
結が 何かを呟いて
「なに?結、聞こえないよ」
ギロッ
オレをにらんで
「何でもないよ、鈍感 柊ちゃん」
な、なんで!?
だけど何度 訊いても
結は教えてくれなかった