「ぽん」
と言う柊ちゃんの声を聞いて
私は そぉ~と目を開けた
私が出したのはパー
そして
柊ちゃんは
「だから、言っただろう?
オレはチョキを出すって」
勝ち誇った顔で
チョキを私に見せた
……やられた…
ガク~~~~~っと
私がうなだれると
「そっか。そっか~
結はジャンケンに負けて
オレと風呂に入りたかったんだな♪」
柊ちゃんは上機嫌
ズルいよ、事前に出すモノを申告するなんて
ジャンケンの神様が怒るよ
「さ、入りましょうか。奥さん」
「待って 待って」
「今度は何?」
私が先にお湯に浸かった方が身体を見られない?
それとも 柊ちゃんを先に入れて
目を閉じててもらう?
うん
柊ちゃんが先の方がいいね
「柊ちゃんが先に入って
ず~~~~~~っと
目を閉じてて」
「はぁ!?」
「そうじゃないと私、入らないから」
「………はい、はい。
わかりやしたよ。お嬢さん」
柊ちゃんは
ため息まじりに言って
浴室へ消えた