何も聞かない事
いつも通りに接する事
私を からかう事
みんな彼の優しさだった
本当は どうして私が帰って来たのか
心配で 心配で
無理やりにでも 聞き出したい
柊ちゃんは そう思ってるはず
それを しないのは
私を落ち着かせるため
ごめんね 柊ちゃん
たくさん 無理させてるね
バスタブに 浸かり
今の柊ちゃんの気持ちを思うと
涙が出た
柊ちゃんの気持ちはわかる
わかるのに
それでも やっぱり
私の気持ちは変わらない
目から落ちる涙が
頬を伝ってお湯に溶ける
お湯の中に波紋が広がって
そこに沈む 小さな胸を見た
色気のかけらもない
中学生の薄い身体だ
ごめんね ごめんね ごめんね
柊ちゃん
私は やっぱり
もう病院へは 行かない