家に帰ると


すぐ 柊ちゃんは


バスタオルで私の髪を


くしゃくしゃって拭いて



「風呂の用意するから
着替えてな」って言った




病院を抜け出した理由を言わない私に



柊ちゃんは もう何も聞かなかった



いつも通りに接してくれて




「風呂の用意出来たよ」と



リビングのソファーに座る私に 声をかけて



私が「ありがとう」と うなずいた



………でも、柊ちゃんも雨に濡れて冷えたよね




「柊ちゃん、先に入って」



私が ソファーに座ったまま


隣に立つ 柊ちゃんに言うと



首を横に振って


「オレは全然、大丈夫だから」


「でも………」


私が眉をしかめると

柊ちゃんは何かを思いついたように「じゃあ…」と呟いて



「一緒に入りますか?結さん」



私の隣に ドサッと座り

からかう ような笑顔を浮かべて

顔をのぞき込んだ



「柊ちゃん!!!!!」



私が怒ったように強く言うと


「嫌なら、さっさと風呂に入りなさい」

ふわっと優しく私の頬を撫でた