「何してるんだ、結」
柊ちゃんが すごい勢いで私の肩を掴み
「こんなに濡れて…………
大丈夫か?」
今にも自分が死んじゃいそうなくらい
不安な心配そうな顔して
私の顔をのぞき込んだ
ザァ――――――――――っと
激しく降る雨の音に消されてしまいそうな声で
「どうして……柊ちゃん」
やっと一言 口に出すと
「病院から電話で結がいないって…………」
そうか………
ナースさん
ラウンドで私がいない事に気がついて
柊ちゃんに連絡したんだ
「良かった…………
結が無事で……………」
泣きそうな顔で
柊ちゃんは私を抱きしめた
「……柊ちゃん…私、濡れてるから………」
私、濡れてるから
柊ちゃんまで服 濡れちゃうよ
そう言いたかったのに
目が すごく熱くなって
涙が 溢れて
「………柊ちゃんっ………」
私は柊ちゃんにしがみ着いて
たくさん泣いた