柊ちゃんは約束通り
毎日、学校帰りに消灯ぎりぎりまで一緒にいてくれた
今は夏休みで
成績が思わしくない生徒のサマースクール
補習での面白い話を聞かせてくれたり
1人で眠るのが寂しいよって
甘えてくれたりもした
個室だから他の患者さんとの交流もないし
入院生活での話し相手は柊ちゃんだけで
消灯時間を過ぎて
柊ちゃんが帰ってしまったあとの病室は
暗闇に空調の音が やけにうるさく聞こえて
ベッドに横になり見慣れない病室の天井を見上げると
余計に目が冴えて
いつまでも眠れなくて
………お水飲みたいかも
すごく冷たいヤツ
ベッドの横にある棚から財布を取って
病室を出て談話室にある自販機へ向かった