「あのねぇ……柊ちゃん…」
私が話を切り出せたのは
その日の夜
ベッドに入ってからだった
柊ちゃんは
私に腕まくらをしてくれて
「なに?」と訊いた
「今日、病院で田所先生が1週間検査入院しないか?って………」
柊ちゃんは少し表情を固くして
「検査入院?……何か…悪いところがあるから…とか?」
私は慌てて
片手をブンブン横に振って
「ううん。違うの
悪いところとかじゃなく
一度、じっくり詳しくって感じみたい」
「う~ん」と柊ちゃんは 唸るように返事して
「それは、やっぱり田所先生の言う通りに入院するべきだよな?結」
そう言うと思った
ここで病院は嫌いなんて
ワガママ言ったら
柊ちゃん…困るよね