君に出会えた奇跡…



勢いよくドアが開いた。


「健っ」


チームみんなだった…



「大丈夫か?健」




見るとチーム全員がそろっている。


1人残らずそろっていた───


それを見た俺はすごくうれしくて、うれしくてうれしくて涙がまたあふれだした。



「健、泣くなよ…」



「……っ…」



「あのな、健、俺たちな…」



佑真が言った。



「お前が野球する姿、とってもかがやいてた」


佑真が笑顔で言った。


「チョーかっこよくて俺たちみんなの憧れの存在」


ありがとな…



そして、ごめん。


もう俺はみんなの憧れにはもうなれないんだ。



「だから」



えっ…?




「俺たち、待ってる。健がまた野球する姿をみれるのを…」




















「俺たち、待ってる。健がまた野球する姿をみれるのを…」



えっ…



何言ってんだよ、こいつら。



俺は、医者にもう野球ができないかもしれないって言われているんだぞ。



なのに───


なのにまた野球が絶対にできるような言い方して…



「…りだ。無理だ」


そう…


無理なんだ。俺は。



俺はそんな不可能なことを可能にできるような人じゃない…


だから…



「なんでだよ。なんで無理とか言うんだよ」


佑真が言った。





「お前っ、野球をそんな簡単にあきらめれるのか…?」



ズキンッ…




俺の胸に佑真の言葉が強く刺さった。
















「健は…野球を簡単にあきらめれる奴なのかよっ」




ちがう…



俺は───


「野球を誰よりも愛しているんじゃなかったのかよっっ──」



そうだ……



俺は誰よりも野球を愛していた。



大好きで大好きで……



人生で野球があればいいと思っていた。




「…健。チームみんなね、みんな健にあこがれているんだよ」


菜奈が言った。




「健の何もかもがみんなうらやましくて、憎めない人なんだよ」



「そうだよ健──お前はチームみんなの誇りなんだ。だから、まだ確実に野球ができないわけじゃないんだからあきらめないでほしい…」


監督も言った。




正直、俺はものすごくうれしかった…




それに、がんばろうと思った──




夢をあきらめないために。。。
































━第八章…━









ーこれからの夢ー…













































━2カ月後…━



「たけちゃんっ!今からリハビリの時間だよっ」



柚が言った。





「おうっ今行く。」



                     
俺は、佑真たちがあの言葉をいってくれてからある夢を叶えるために毎日リハビリをしている。




ある夢とは、俺のこれからの夢でもある…




「結構たけちゃん、肩良くなってきているんじゃない?」




「いや、まだまだ。これからの夢はもっと今以上にがんばらなければ、叶わない。」




「…そっか。っていうかたけちゃんのこれからの夢って何?」


柚が笑顔で言った…。





「柚…、知りたいか?」





「うんっ!知りたい!だってもしかしたらその夢、私も一緒に叶えられるかもしれないもんっ!」





「それに!たけちゃんの夢は私の夢でもあるから…」





「あのな…俺のこれからの夢は…








俺のこれからの夢……



それは………





「またあのチームのみんなと一緒に野球をやること。」




「だから今がんばってリハビリをして、最後の…高校最後の甲子園にみんなで出るんだ…」




















……ポツッ…ポツッ…



俺の手に2粒の涙がこぼれ落ちた。



「えっ…」



涙がこぼれたほうを見てみると───



「…ポロっ…ポロッ……」




柚が静かに涙をこぼしていた…。




「ゆ、柚。ごめん…俺なんかやったっけ…?」





そう言うと柚は自分が泣いていることに気づき、こぼしていた涙を急いで拭いた。





「あっ…、ごめん。ついなんか…涙がこぼれちゃった。」







「たけちゃんは全然悪くないよ…ただ、ただすごくうれしかったんだ…」























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