ボールは遠くの方まで山なりに高く飛んでいき、私はもう負けるかもしれない。
…そう思ってベンチに腰をおろした。
「ハァ…」ためいきをついて下を向いたそのとき！
「パンッ！！！」
ボールをとるグローブの音がして、もう１度私は立ち上がった。
フライだったんだ…。
そして、あとは結果を聞くだけ。
みんな審判の方を向いていて審判は口を開いた。
「…アウト！ゲームセット！」
か…勝った…
「「「「キャーーーーーーーーーー！！！！」」」」
さっきよりも大きい歓声がグラウンド全体に響き渡る。
私は、夢のようで信じられなかった。
