たけちゃんは佑真の合図をみて



小さくうなずくと



帽子をキュッと深くかぶって



ボールを見つめている。



そしてー…



かまえる。



私はこの瞬間、目をつぶって両手をギュッと力強く握ってその手を額につけた。




お願いー




勝って、勝って…







「カキーン」






えっ?




私はボールを打った音がすると飛び立ってボールの行き先をみた。