授業が終わり、相沢くんにお礼を言おうと思ってか、私は無意識に席を立った。
振り返ると、相沢くんの周りには人がたくさん集まっていた。
「春樹! 昨日のあの子、アレ、お前の彼女!?」
「え、うっそ。相沢彼女いんの?」
「マジ? 密かに狙ってたのに」
「私も…」
「ぇ、私も~」
「どんな子?!」
「可愛かった?!」
「おー!」
「え~気になる~!」
何だろう…
足が、動かなかった。
やっぱり気が引ける。
「亜希、どうした?」
早紀ちゃんの声が流れていった。
「亜希ってば!!」
「わ、ごめん。何?」
「何じゃないよ。何、突っ立ってんの」
「何でも…ないの。何でも」
私は笑って誤魔化した。
何を…?
ま、いっか。