授業が進む中、私は帰り、自転車のチェーンが外れたのをどうするか考えていた。
「…じゃ、ここを藤沢」
「…あ、はい!」
聞いていなかった。
何を当てられたのか。 一気に顔が熱くなる。
私は、後ろの早紀ちゃんに助けを求めようとした。
その瞬間、
「あ、それ分かった!」
そう言って、相沢くんは当てられてもいないのに、席を立つなり前に出て黒板に解答した。
「合ってる?」
「不正解だ」
「えぇ~! 問2コレじゃないの?」
「惜しいな。藤沢、直してやれ」
「…はい」
ああ、手が震える。
でも、相沢くんのおかげで、どの問題かが分かった。
それに、相沢くんが間違えたのはスペルだけ。
助けてくれた…?
思い過ごしかな。
でも、少し感謝。
直接お礼が言えたらいいのに
私にそんな度胸はない。
それに、人気のある人と関わるのは怖い。
でも…!!