「俺は本田と違う。ガキの頃の話だし、自然と気持ちがなくなった…」 「気持ちが、無くなるの?」 「そ。今はアンタしか見てない」 「…!!」 叶くんはいつも突然ドキッとする言葉をサラッと言う。 あまりに真っすぐな瞳に戸惑う。 「でも、その気持ちも、いつか…なくなってしまう…?」 私、何を言って… 「教えない」 叶くんは笑みを浮かべた。 どうして、そんなことを聞いたんだろう。