「あ~疲れた」

「騒ぎ疲れだろ」

「何か言った? 相沢」

「別に」




早紀ちゃんは机に頭を寝かせた。


本当に疲れたのか、少しの間、黙っていた。




「藤沢、英語で分かんないとこは?」




小野さんの声に少し驚いた。




「え、リサ子うちらは?」

「ナツとユキはまず単語覚えて」


「は~い」




小野さんが私の隣に座った。
なんだか、コレはこれで違った緊張感があった。




「小野、英語出来んの?」




小野さんは相沢くんの声に反応し、少し力んだ。




「リサ子、帰国子女だよ」

「英語ペラペラ」




吉田さんと真鍋さんが自慢気に言った。




「嘘、マジ!!?」

「まぁ…」

「かっけーな」

「別に…!!」

「すごいじゃん」




小野さんは顔を逸らした。
赤くなって照れている小野さんを初めて見た。



その時、私は小野さんたちが相沢くんを好きなことを思い出した。



鈍い私の直感でも、小野さんの『好き』は恋だと感じた。