あ、 自転車置き場についてようやく、腕に収めていた筆箱の中身が空なのに気づき、ペンや定規をバラバラ落としているのを後方に確認した。 とりあえず、手に持っているノートやらを鞄に直し、落ちているものを拾った。 「はい」 「あ、すみません。ありがとうございます」 私が拾っている視界に飛び込んできた赤ペンを受け取り、拾ってくれた人にお辞儀した。 あれ、聞き覚えのある声…