「あ、そこはそうじゃなくて…」




!!?




私の方に置いてある参考書に叶くんが手を伸ばした。

乗り出して私の前を交差する腕が…男らしいとか少し良い香りがするとか、一瞬で視覚と嗅覚を捕らわれてしまった。




「ん、こっちのコレ使って解いて」

「……」

「……おい」

「あ、ごめん」




私…

教えてもらってる立場で、何を…!!


集中、集中!!