「それ、渡すためなら家に持ってけば良かったんだけど、ちょっと話したかったからさ」
「…」
「迷惑?」
私は首を横に振った。
「はい、その格好じゃ冷えるでしょ」
相沢くんは、自分の着ていた上着を私に貸してくれた。
「ありがとう」
「藤沢、あんま1人で出歩くなよ」
「え?」
「お前、狙われてんだから」
「大丈夫だよ」
「藤沢! 嘘、つくなよ」
「…うん、………正直、びっくりした。写真、撮られてたなんて気づかなかったし…今も、もしかしたら、誰かに見られてるのかなとか思うと、…恐い」
「クソッ!!」
「!?」