「小野さん、吉田さん、真鍋さん…」
「……」
「……」
「……」
「私は、もう咎めない。…でも、忘れないで。あったこと全部、なかったことには出来ないから」
「あぁ」
「分かった」
「うん」
「ちょっと、亜希!! まさかそれでチャラにするつもり?」
「チャラじゃないよ。なかったことにはならないもん。だから、ちゃんと心で覚えておいて欲しい…」
「約束する」
「それから…」
私は震えた手で早紀ちゃんの制服を掴んだ。
「出来れば…、小野さんたちとの記憶が嫌な思いだけじゃ悲しいから…これからクラスメートとしてやり直せない…かな?」
私は、勇気を振り絞って言った。