「それから、理由が何であれ、早紀ちゃん以外に遊びに誘ってくれる人なんていなかったし、だから、それも…嬉しかったの」
「それは罠…」
「かもしれないけど、私…どんな酷い目に遭っても謝られたことなんて一度もなかった。みんな当然のような目で私を刺すだけ。でも、小野さんたちは、…あの時謝ってくれた」
「亜希、あんなの謝って済む事じゃないよ」
「だから、そう思って今日誘ってくれたんじゃないかな?」
「そうだとしても…」
「私ね、独りでも平穏なら平気って最近まで気づかない振りしてきたけど、本当はずっとクラスのみんなと仲良く、せめて普通に話せるようになりたいって心の底ではずっと思ってた」
私は自分でも驚くほど今、言葉を発している。私のためを思う早紀ちゃんに生意気にも反論さえしている。
私の中で、私が変わろうとしているのが分かる。
「今、超喋ってんじゃん」
「な。つか、こんな喋ってんの初めて見た」
「…」