「相沢くん、も、大丈夫だから。わざわざ心配して来てくれてありがと」
「お、おぅ」
「でも、やっぱりまだ学校で、周りの目を気にして、相沢くんに素っ気ない態度とっちゃうかもしれない…けど…それは…」
「分かってるよ。分かってるから。ただ、避けられっ放しは面白くねーよな。俺が誰と話そうと勝手ってことに変わりはねぇかんな」
私は小さく頷いた。
「心配すんな、大丈夫。本田も幸村も俺も藤沢の友達、だろ?」
友達・・・
なんて素敵な響きなんだろう。
初めて出来た男子の友達。
心強い。嬉しい。
それでも、ここまでして私のことを友達と言ってくれているに、私の中から消えてくれない不安。
しつこくこびりつく不安はいつか消える日が来るのかな…
「ん?」
「うん、そうだね」
目の前の笑顔を信じたい。
私に向けられる笑顔、一人だった中学の時とは違う。
確実に、明らかに違う。
私はもう既にいくらか救われていることを、頭で言い聞かせて理解するだけじゃなくて、早く心に届けてあげたい。