私は、早紀ちゃんに何をしてあげられる…?
「亜希、私もう絶対何があっても亜希のこと1人にしないからッ」
「いいよ…、平気だから」
「平気じゃないよ、こんなの」
「お願い、」
早紀ちゃんを巻き込みたくない。
私と関わると今度は早紀ちゃんにまで被害が及ぶかもしれない。そんなの絶対にイヤ。堪えられない。
なら、私はどうなったっていい…
「……。でも、」
「早紀ちゃんまで睨まれちゃうから」
早紀ちゃんは私の肩から顔を離し、睨んだ。
「上等よ。返り討ちにしてやる!」
「……」
早紀ちゃんのその一言は、私のネガティブな思考を一瞬で吹き飛ばした。
「あはは、頼もしいなぁ…」
早紀ちゃんは。
早紀ちゃんなら、早紀ちゃんとなら過去を打ち破れるのかもしれない。
私の冷えきった身体も心も早紀ちゃんの温もりで熱を取り戻した。
叶くんは私たちを他所に、素早く指を動かして携帯を触っていた。
「…あんたはそこで何してんのよ!変態」
「メール。春樹に」
叶くんは携帯の画面を見せた。