俺はなぜか不思議に思った。
 
普通ならこの状況に興味を持たないわけではないはず…
 
もっと興味を持って皆が群がりよってくる…なんてことがあってもいいのでは…と俺は訝りつつ…
 
「どうなのよ!」
 
なにも話さなくなった俺に痺れを切らした彼女が怒鳴ることで、俺は我に帰った。
 
「あ、あぁ…」
 
それでもまだしどろもどろだ。
 
「あんた、聞いてる…?」
 
彼女からの怪訝な声色。
 
しかめっつらをしながら彼女は俺の顔を覗きこもうとしている。