大人の恋は難しいもので母性の数倍、理性を感じてしまう。


年下男はめちゃくちゃ、かわいい。


でも年上女と言うだけで周りを気にしてしまう。
どうにもこうにも世間の目と言うものが気になってしかたないのだ。



ご飯できたよ。テーブルの上片付けて。


…うん。もう少し待って。


夕食の支度の最中、年下男は映画に夢中だ。
私が2人で見ようと思って借りてきたのに。


早く片付けてよ。パスタが伸びちゃうよ。


…うん。


リモコンの停止ボタンを押し、重い腰をあげた。
この年下男は1時間ほど残った映画をいつ見るのだろうか。


はい。お待たせ〜。
今日はトマトソースにしたよ。どう?おいしい?

年下男はパスタをほおばる。


おいしいっ!

満面の笑みを浮かべる。
…ダメだ。

いつもこの笑顔にやられてしまう。私はこの笑顔のために手料理を振る舞っているようなものだ。

ねぇ。
映画の続き見てもいい?見終わったら一緒にお風呂入るからさぁ。


…別にいいけど。


自分勝手すぎる。
しかも私が断れないように甘い言葉も付け加える。しかも甘えた声で。

計算なのか…。
天然なのか…。

私はまんまと引っかる。