翌朝、朝の空気が静寂(せいじゃく)を作り上げている。

「うにゅにゅぅ〜」

と、千波が気持ち良さそうに寝返りをうっていたりする。

外では雀(すずめ)がさえずり、車の行き交う音は遠い…

まるで自分しかいない、邪魔する者が誰ひとりなく、千波は静かに寝息を立てるのみだった。

ジリリリリリ…

それを突如破る物が朝である事を告げた。

「ふみゅ…」

それに気づいた千波は右手で目を擦りながら左手で目覚まし時計を黙らせた。

むくりと上半身を起こす。

「フア〜」

と、両手を広げて大きく伸びをした。

ベッドから立ち上がると歯磨きのため階下にある洗面所を目指す。