その夜


わざと背をむけて寝てみた


鈍感ばか犬は、それに気づかずに後ろから抱きついた。




憂鬱な気分で指輪を眺めていたら













『わいな…指輪なんて、誰にもあげたことなかったよ。

昔の奴も“何でくれないんだ?!”って、よく催促してきた

だけど、わいはどうしても指輪だけはつけたくなかったんよ

そこに縛りつけられるみたいで嫌やった

だからかな…?アイタンにも他の男の指輪をつけて縛られてほしくない

その前に、わいが縛っておかんとアイタンが離れる気がしたんよ。』