「むっちゃんのパパ!」



そう叫んだのは奈々。

その後ろには何人かクラスの子。



「お願いします、むっちゃんを辞めさせないでください!」

そう言って深々と頭を下げた奈々。



「…止められなくてごめんなさい。
あのグループに睨まれると何をされるかわからないから」

真面目そうな女子がパパに訴える。



「いなくなるとやっぱり寂しいし、オレ、一回話してみたかったんだ!
バイクの事!」

人懐っこい笑みを浮かべるのはいかにもバイク好きですっていうタイプの男子。



パパは頭を左右に振って



「俺の気持ちは伝えた。
あとは睦海が決める事だよ」