「私はこの学校へ来たからには、無事に卒業して欲しいと思っている。
どの生徒も辞める事なく、また柏原くんのように突然、この世からいなくなるなんて事がないように」



教室は静まり返っていた。



「私は!」

いきなり奈々が立ち上がった。

「むっちゃんが学校辞めるなら私も辞める!」



…何を言い出すかと思えば。

あたしはゆっくりと後ろを振り返って奈々を見つめた。



今にも泣きそうになっている。



「私もあまり人付き合いが良くないから友達少ないし、みんなと話するのは苦手だけど」

奈々は必死になって声を出していた。

「むっちゃんがいるから学校に来ようって思えるのに、辞めたら私はどうしたらいいのよー?」



…そんな事、言わないでよ。

あたしが泣きそうになる。



それにあたし。

心の中では交野を殴って学校辞めようと思ったけど。

一言も辞めるなんて言ってないから。