マシンと共に帰ってきた光さんは悔しそうにヘルメットを抱いていた。



「ごめん…」

祥太郎を見つめて真っ先に言った言葉だった。

祥太郎は首を振って

「光さんは悪くない。
…でも、いいデータが取れたじゃない?
これで8耐は大丈夫だよ」

その言葉に光さんは頷くけど。

悔しさのあまり、自分の太股をパン!と叩いていた。



「そのまま走れって言ったのは俺だから」

チームにどんよりと重たい空気が流れかけた時、パパが口を開いた。

「今回の責任は俺にあるよ…
勝てるレースをダメにしてしまった」

ごめん、とパパはみんなに頭を下げた。