「睦海、やるね〜!」

毎日、一緒にトレーニングをしている祥太郎が目を丸くしながらも、笑った。

「男と走らせていい勝負になるんじゃない?」

「毎日、お前達と勝負しているじゃないか」

俺が言うと祥太郎はそっかー、と笑った。



更にその後の障害物競走でも1位。

雨なんて降っていないかのように平気な顔をして走っていた。



「…むっちゃん、怖いくらいに運動神経ええな」

後ろから急に光の声が聞こえて慌てて振り返ると。

…眠そうな顔をした光。

「疲れてたら寝てて良かったのに…」

少し気の毒そうに言うと

「アホみたいにメール送られたら起きてまう!」

光は俺に携帯の画面を見せた。



「真由?」

俺が真由をじっと見つめると真由は全く違う方向を見つめた。