すぐに電話が掛かってきた。



「遅い!」

…オカンの声、うるさい。

「仕方ないやん。
レース前やから色々あるねん」

電話、切ってやろうかと思ったけど、苛立つ自分をなだめて話を続ける。

「門真さんは『お会い出来る日にみんなで話しましょう』って言ってはったけど…
そんな日、あるん?」

俺は頭を掻きながら

「こっちに来てくれたらいつでも話出来るやん…
っていうか、そんな話はいつでも出来るやんか!
もう寝るから切るで!!」

「ちょっと待ち〜!!」

もう…オカン、ええって。

「むっちゃん…、なんか元気なかったから、それが心配や。
あんたがちゃんとフォローしてあげんと、相手はなんせ若いから、三行半、突き付けられんで!!」

「うるっさいな〜!!」

俺はたまらず電話を切った。



…わかってる、それはわかってる事やから。



俺だって。

あれからずっと悩んでるねん。