「…来てたん」

明らかに光さんは不機嫌そうな顔をしている。

「帰ってくるって聞いたから」

チラッ、とその彼女はあたしを見た。



まるで。

虫けらを見るみたいに。



「麻夜」

光さんはいつもとは全然違う低いトーンの声を出した。

「俺、彼女といずれは結婚するから」



光さんはそう言うとあたしの手をギュッ、と握りしめて自分の部屋に上がった。

麻夜と呼ばれた女性の目が怖い…!