やがて。

サーキットは闇に包まれて、美しい幻想的な光があちこちで見られる。

観客席からサイリウムの光がボンヤリと浮かんで。

この真夏の祭典もあとわずかで終わる。



俺は確実に自分がすべき走行を果たしていた。

あとは祥太郎に走ってもらうだけ。



なのに!!

ボードであと1時間、走れ!!という命令が出ている。



あのな…、アホか。



もう、俺はええわ。

十分走らせて貰ったし、来年の事も考えて祥太郎が走ったほうがええ。



俺は首を横に振った。



次でピットインして交代するから。