「むっちゃん!」

昔から聞き慣れた声が聞こえた。

あたしは振り返る。

「おじいちゃん!!」

手を振っているのはパパの育ての親、門真 満。

パパは本当の親に捨てられたけどおじいちゃんに引き取られて、また縁あって柏原家に居候して今に至る。

おじいちゃんはバイク部品製造会社の社長でマフラーを提供してもらっている。

もう70近いけど、まだまだ元気で何より若い。

「昨日、いいタイム出したんだって?」

あたしは頷く。

「来年も楽しみだなあ」

おじいちゃんは頭を撫でた。



おじいちゃんはそのまま、パパの元へと向かう。

パパはおじいちゃんが声を掛けると嬉しそうに話をしていた。