「むっちゃんと結婚するって本当ですか?」

奈々は俺を追い詰めるような目で見つめる。

そんな肩に力を入れなくても…

「俺はそう思ってるけど…?」

その瞬間、多感な高校生達はキャアキャア喚き始めた。

「羨ましい〜!!」

とはリコちゃん。

「…まあ、結婚するまでにしばらく離れる事になるけど」

むっちゃんが本当に消え入るような声で言うと

「そうだよね、ごめん」

リコちゃんはむっちゃんの心情を察して謝った。



「やっぱり、どうしても大阪に帰るんですか?」

奈々の質問に俺は頷く。

「帰る約束をしたからね、親と。
親ももういい歳だし、この辺でそろそろ辞めて家の仕事を継がないといけないから」

そう言うと納得したような、してないような複雑な表情を浮かべていた。