≪xxx年≫
満月の夜――。
「敵襲だー!!王家を守れー!!」
激しい戦闘の中で、城は炎に包まれた。
「姫様!こちらです!城からの抜け道があります」
「嫌!お父様やお母様たちを置いてなんていけない!!」
橋の隅に身をひそめ、姿を隠した。
「そんなことを言わないでください!!奴らの狙いは姫様なのですから!!」
「だったら!私が奴等に捕まれば!そうすれば攻撃がやむの?!なら」
「それはなりません!!あなた様を死んでも守るようにと国王に忠誠を誓ったのです、」
そういうと、姫の腕を掴み、無理やり連れだした。
「姫が逃げたぞー!!追えー!!」
城の抜け道は細く、長く続いた。
「出口だ!!川の畔に船をとめています」
暗い道を出ると、目の前に灯火が見えた。
「くそ!!」
目の前には先回りをしていた兵がいた。