もう一回計るの面倒臭い…。言われた通りまた計る。 「どら…。」私のおでこに荻野さんの手が触れる。「荻野さんの手、気持ちいい。何かごめんね?仕事休ませた揚げ句、看病まで…。」 「別にお前の為じゃねぇよ。てか、恩人の腹を踏み付けやがって。信じらんねえ。」そう言いながら頬を赤くさせてる荻野さんが可愛いと思った。女を信じない、本気で愛さないと言った荻野さんだけど、私にはこんなにも優しい…。勘違いしちゃうよ?私…。 脇から体温計を外して、見ると36・5℃。絶好調じゃん。 「熱、下がって良かったな。そんだけ元気有ったらもう大丈夫だな。俺、帰るわ。明日、朝一から講義入ってんだ。」私の頭をクシャクシャとして、優しく微笑んだ荻野さんに「有難う。おかげで助かりました。」そう言って軽いキスをした。