カチャ……。 ドアが開く音がすると、「冷蔵庫借りるぞ。」 「ほら、熱は自分で計れ。」とぶっきらぼうに言って、体温計を私の目の前に差し出してくれた。 「有難う……。」 そう言って脇に挟んだ。 少しして、ピピピピ…と体温計が知らせてくれる。 「どら、貸してみろ?」そう言われて、体温計を渡した。 「38・5 ℃か…。結構有るな。お前ん家米有るか?」「少しなら…。」その言葉に荻野さんは台所に行った。