「傘無いし…。」 結構、本格的な雨。少し窪んだ部分のアスファルトには雨水が溜まりだす。 道行く人が、ずぶ濡れになってる私をチラ見して行く。 角を曲がると、傘をさしたスーツ姿の男の人が前から歩いて来るのが見えた。 「ありさ!」誰か私を呼んだ!?まさかね…。 「ありさ!」よく見ると荻野さんらしき人が呼んでる。 「荻野さん…?」 前から走って来るスーツ姿の男の人は、間違いなく荻野さんだった。