突然の早紀の提案に戸惑っている私の腕を掴んで、「早く行くよ?のんびりしてたら大学終わっちゃうよ。」「有難う、早紀。」はやる気持ちを抑えながら、屋上を後にした。 電車に乗ると、昼間だから、朝の慌ただしさは無くて、移動中のサラリーマンや、買い物だろうか、おばさん達がいるだけだった。大学の中で生活をする荻野さんの姿を想像しながら電車に揺られていた。 「着いたよ。ありさ。W大って、こっから10分位でしょ?」先に席を立った早紀が私を見た。