「いた……いよ…。ママ……行かない…で……。」そう叫びながら、一筋の涙が流れた。 何が、どうなってるの!?何だか怖い…。「荻野…さん…?」震える手で、荻野さんの頬を触ると、ビクン…と体が動いた。「ママァ!!」目を覚まして、起き上がった。頬を伝う涙をそっと拭って、「変なとこ見せて悪かったな…。忘れてくれ……。」そう言ってネクタイと上着を持って玄関へ歩きだした。 「荻野…さん。」 「有難う……。」そう言うと部屋を出て行った…。